mogwai /Every Country's Sun(レビュー) みんなのタイヨウ、僕のタイヨウ、Mogwai
mogwai /Every Country's Sun(レビュー)
2017年9月発売英グラスゴーのポストロックバンド、
mogwaiの9thアルバム。
Every Country's Sun
モグワイは僕にとって太陽のような存在だ。
とか言い出してこのレビューを始めようかと思ったけど、
どちらかというと月だし、月というより星のイメージ。
でもこのアルバムは太陽かな。
モグワイはずっと前から聴いている。大好きなバンドの一つだ。
ライブは何回か見に行ったし、去年のホステスクラブオールナイターでは
いつも以上の爆音で耳が完全にヤラレルような最高に刺激的なライブだった。
8月来日時の写真
前作のRave Tapesは電子音を多用し、
キーボードシンセチックなアルバムだった。
結構辛口な評価が多く、ちょっと退屈なアルバムになっていた。
(僕はこれはこれで好きだけど)
rave tapesと今回のタイヨウアルバムの間に
Atomicってコンセプトアルバム?を出していて
これは広島原爆のドキュメンタリー番組のサントラで
冒頭のEitherはなかなかの名曲具合だけどあとはよくも悪くもサントラな内容。
Mogwai // Ether (Official Video)
そしてギターのスチュアートはMinor Victoriesって
バンド組んで活動したり(詳しくは過去記事で)
そんなこんなでEvery Country's Sunにたどりつきます。
Every Country's Sun
①Coolverine
最初に発表された曲。
イントロから洗練されている。
心臓から血液を送り出すようにギターのフレーズの反復が
ピアノ音みたいで洗練された曲でクール
このフレーズ、ライブでは歪んだギターになっていて
作中の印象よりも粗々しく感じる。
ドラムの拍の取り方がマーティンブロックさんらしさが出ていて
やっぱりモグワイはこのひとがいないと始まらない。
②Party in the dark
意表を突かれたスチュアートボーカル曲。
さっきの緊張感を完全に解くような。そして歌ちょっと下手でしょ。。
でもこの曲本当にいい。①の重苦しい曲の雰囲気を打ち消して、
なんかちょっと楽しくなってる。
そしてよく聞いてほしいのがサビのキーボードのメロディ。
すごくいいメロディーでこの曲をポップソングに聞こえさせている。
単純そうに聞こえる曲。でも実はしっかり作り混んでる。
③Brain Sweeties
この曲でもドラムがいい仕事してる。
①でも心臓とたとえたけど今度はドラムが心臓のように鼓動していて
脈打ちだす。
あと3分過ぎからのベースも面白い。聴いたことないフレーズだな
④Crossing the road material
くるぞくるぞ、はいきたー。となる前半で音を重ねて
後半で爆発させるモグワイお得意の手法。
僕の大好きの前々作のHow To Be a werewolfと似てる展開。
でももっと爆発させてもいいんじゃない?なんて
⑤Aka 47
アンビエントな曲。
真っ暗な洞窟に迷い込んでしまって、どうしよう、でも歩き続けるしかない。
この感覚は3年前終電を逃して、財布も落として、
携帯の充電のなくなって完全にHP0の状態で一人家に帰っていた
当時20歳の記憶を思い起こさせる。
そしてこの曲、Apollo96さんがレビューされているように
(勝手に引用させてもらって申し訳ございません。。)
この曲とセットで⑥を聴いてほしい
moon-milk-overtrip.hatenablog.com
⑥20 Size
ベストトラックだ。紛れもなく。
光が差した。朝焼けのきれいに澄んだ太陽。
先ほどの⑤からの太陽が差しこんできたこの曲。
始まりではまだ明るくない。(0:10) この道であっているのか(0:45)、
いやこの道かなと正しい道を探し求める。(2:15)
そうこうしているうち自分の足元を見るとなぜか明るい。(2:21)
ふと見上げるといつの間にか洞窟を抜けていて(2:51)、太陽がさしている。(3:10)
思考錯誤して正解を求めていたらゴールが見えなかったけど(3:40)、
今自分の歩いている道が正しい道だと気が付き歓喜(3:52)
人生だ!
⑦1000 foot face
さあ昼下がり。2度寝。な曲。
優しく包み込まれるような。3度寝。
⑧Don't believe the fife
またちょっと暗い曲に、と思いきやあなた爆発曲(4:07)でしたか。
このサプライズ感がたまらない。眠気をぶっ飛ばいてくれる。
⑨Battered at a scremble
イントロからの急に割り込んで入ってくるあの新幹線みたいなギターを聴くために
何度聴いたことか、最高です。
にしてもこの曲なんかすごく若々しいな。
やっぱりモグワイはギターロックバンドだなと再認識させてくれる。
⑩old poisons
なんとおどろおどろしい。。抜かりなく。
こういう一面も見せてくれ、今回のアルバムはほんとにバラエティー豊かで
集大成といわれている通りだ。
⑪Every country's sun
表題曲にして最後の曲。
尊厳なイントロ、何かを訴えかけるような。
揺れるギターのフレーズ。この曲の太陽は夕日なのか朝日なのか、
それとも昼の白い太陽なのか。
心に響くこの曲はライブでは凶器のように僕の心へ刺さった。
まとめ
と本当にmogwaiの集大成といっても過言ではないくらいに
素晴らしいアルバムだった。
mogwai初心者にもおすすめできる作品であることは間違いないが、
mogwaiにご無沙汰な方に特に聴いてほしい。
ちなみに日本盤に収録されているFight for workもかなりの良曲なので聴いてほしい。
最後に 20 size を聴いてもらっておわり。